をんなが付属品をだんだん棄てると
どうしてこんなにきれいになるのか。
年で洗はれたあなたのからだは
無辺際を飛ぶ天の金属。
見えも外聞もてんで歯のたたない
中身ばかりの清冽な生きものが
生きて動いてさつさつと意慾する。
をんながをんなを取りもどすのは
かうして世紀の修業(しゅげふ)によるのか。
あなたが黙って立ってゐるち
まことに神の造りしものだ。
時間内心おどろくほど
あなたはだんだんきれいになる。
(1927.1)
[高村光太郎詩集]
2010年8月29日日曜日
あなたはだんだんきれいになる
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